第1期名古屋の学校事務のグランドデザイン

策定の主旨

 学校を取り巻く環境が変化する中,学校教育に対する期待や学校教育が抱える課題が一層複雑化・多様化しています。個々の教職員だけではなく,学校が組織として様々な課題に対処していくことが求められており,校長のリーダーシップのもと,教職員の役割分担の明確化などを通じて業務を効率化するなど,組織的・機動的な学校運営を実践していくことが一層重要となっています(文部科学省「学校運営支援について」より抜粋)。こうした課題に対する解決策の一つとして,全国的に学校事務の共同実施や学校間連携に取り組む自治体が増えています。
 名古屋市では平成22年度から全市で学校事務の学校間連携(以下学校間連携)を実施しています。平成23年度以降さらに,この学校間連携の活用と推進が求められています。このような時期だからこそ,強い意志と高い目標を掲げ,名古屋の学校事務職員がスクラムを組んで学校事務の改革に取り組むことが重要であると考えます。
 学校事務職員が,子どもたちの輝く未来のための学校づくりに積極的に関わり,名古屋の学校事務をより効果のあるものにしていくためには,具体的な目標の設定と,そのための行動計画が必要となります。つまり,方法・手段としての仕組みと,どのような学校事務を構築していくかを整理しなおす時期に来ています。そこで,名古屋市教育委員会が目指す「創造する学校づくり」を推進していくためにも,名古屋の学校事務のあり方と,そのための具体的な取り組みを示した,「名古屋の学校事務のグランドデザイン(以下「名古屋GD」)」を策定します。
 策定にあたっては,全事研のグランドデザインを『マスタープラン』と位置付け,愛知県独自の『グランドデザイン』の考えも活かしながら,名古屋にしかない,『オリジナルプラン』として「名古屋GD」をつくっていきます。


グランドデザインの基本的な考え方

 「名古屋GD」は,3つの戦略でもって,「めざす学校事務像」「めざす学校事務職員像」の実現を目指します。また,年度ごとに取り掛かるべきことを明らかにしていくこと(年次テーマの設定)で,着実な前進をねらいます。そして,その年次テーマのもと,全学校事務職員が方向性を合わせて取り組みを進めていくために,行動計画をつくります。この行動計画で取り組むことは,最大の行動【Maximum】ではなく, 必須の行動【Minimum】として取り掛かるべきものになります。

今後に向けて

 学校間連携のさらなる活用や学校事務支援センターの設立など,学校事務を取り巻く環境は大きく様変わりしようとしています。こうした変化もふまえながら,「名古屋GD」で示した考え方や理論を常に検証しつつ,学校経営の一翼を担う,学校事務の改革を進めていきます。


名古屋GD全体像